建設業法第二十六条に、こう書かれています。「建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し(略)主任技術者を置かなければならない」「発注者から直接建設工事を請け負つた特定建設業者は、(略)下請契約の請負代金の額(略)の総額が(略)政令で定める金額以上になる場合(略)監理技術者を置かなければならない」。この二つの配置義務の違いは、下請契約の規模にあります。
主任技術者と監理技術者の違い
建設業の許可を受けた建設業者は、工事を施工するとき、工事現場ごとに主任技術者または監理技術者を置かなければなりません。どちらを置くかは、下請契約の請負代金の総額で決まります。
発注者から直接工事を請け負った建設業者のうち、特定建設業の許可を受けた者が、下請契約の請負代金の総額を五千万円以上(建築一式工事は八千万円以上)にする場合は、監理技術者を置きます。それ以外の場合は、主任技術者を置きます。
つまり、元請として大きな下請契約を結ぶときは監理技術者、それ以外は主任技術者です。

専任義務
公共工事では、一定規模以上の工事について、主任技術者または監理技術者は専任でなければなりません。
建設業法第二十六条第三項と建設業法施行令第二十七条により、国または地方公共団体が注文者である建設工事で、工事一件の請負代金の額が四千五百万円以上(建築一式工事は九千万円以上)のものは、主任技術者または監理技術者を工事現場ごとに専任で配置する必要があります。
専任とは、その工事だけを担当し、他の工事現場の技術者を兼ねないことを意味します。
専任でなくてもよい場合
ただし、請負代金の額が一億円未満(建築一式工事は二億円未満)の場合など、一定の要件を満たせば、専任でなくてもよいとされています。
建設業法施行令第二十八条では、建設業法第二十六条第三項第一号イの要件として、請負代金の額が一億円未満(建築一式工事は二億円未満)であることが定められています。この金額未満の工事については、工事現場間の移動時間や連絡方法などの要件を満たせば、主任技術者または監理技術者が複数の現場を兼任することができます。
また、監理技術者の職務を補佐する者(監理技術者補佐)を専任で置く場合は、監理技術者本人は専任でなくてもよいとされています。
主任技術者と監理技術者の職務
主任技術者と監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理、および工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければなりません。
この職務は、主任技術者でも監理技術者でも同じです。違いは配置の要件であり、現場での役割は同じです。
公共工事の入札で求められる証明
公共工事の競争参加資格や入札参加資格の審査では、主任技術者または監理技術者を配置できることの証明が求められる場合があります。資格者証や実務経験の証明書、専任であることの誓約書などを提出する必要があります。
専任の証明ができなければ、資格審査で不合格になり、入札に参加できません。工事の規模と契約の形態を見て、専任が必要かどうかを正しく判断する必要があります。
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――この記事は、公共入札の実務に長年携わってきた株式会社Kuwana代表の桑名敏次が、建設業者の方に向けて書きました。



