公共入札の実務にまつわる記録と発信
入札期日の10日前――これが、国の機関が一般競争入札の公告を出さなければならない最短の期限です。この「10日」という数字は、予算決算及び会計令第74条に定められています。 原則は「入札期日の前日から起…
予定価格が九億円以上の建設工事を国の機関が調達する場合、契約の手続は世界貿易機関(WTO)の政府調達協定で定められた国際ルールに従うことになります。この基準額を超える案件は、入札の参加資格や評価の仕組…
建設業法第二十六条に、こう書かれています。「建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し(略)主任技術者を置かなければならない」「発注者から直接建設工事を請け負つた特定建設業…
入札公告を見ていると「共同企業体による応札を認める」という一文に出会うことがあります。自社だけでは規模が足りない工事に、他社と組んで挑めるのではないか。そう考えて調べ始めると、「特定JV」「経常JV」…
総合評価落札方式には、施工能力評価型と技術提案評価型という2つの類型があります。これは平成25年(2013年)3月に示された「国土交通省直轄工事における総合評価落札方式の運用ガイドライン」で、従来のタ…
一般競争入札は誰でも参加でき、指名競争入札は発注者が指名した者だけが参加でき、随意契約は競争をせずに相手方を決める――国の工事の契約方式は、この三つのどれかで行われます。どの方式で契約するかは発注者が…
開札が終わり、発表された札の金額を見て息を呑む。最低の金額を書いた札が二つ、まったく同じ価格で並んでいる。価格を詰め、見積もりを何度も確かめ、ここまで来た。けれどその瞬間、落札は価格だけでは決まらない…
競争参加資格確認申請書を出し、工事の公告期限に間に合わせ、見積もりの準備も整えていた。ところが発注者から届いた通知には「競争参加資格『無』」の一文だけが記されていた。価格を出す機会すら得られず、入札そ…
入札の結果が出て、自社が落札したと連絡を受けた。喜びと同時に、すぐ次の疑問が湧きます。「この後、何を、いつまでに、どこへ出せばいいのか」。落札は契約の成立ではありません。落札者として、決められた期限内…
契約保証金とは、国と契約を結んだ相手方が、その契約をきちんと最後まで果たすことを担保するために、国に納めるお金のことです。工事の請負契約でいえば、落札して契約を結ぶ段になって納める保証金が、これにあた…
「入札の資格は毎年取り直すもの」――そう思い込んでいると、全省庁統一資格の扱いを一つ読み違えます。この資格は、一度与えられれば一年きりで切れてしまうものではありません。あらかじめ区切られた複数の年度の…
一件の工事をきちんと仕上げ、代金も受け取った。ところが後になって、その工事を請け負うには建設業の許可が必要だったと分かる――これは、許可が要るか要らないかを金額で見誤ったときに起こります。許可なく請け…
条文が最初に決めていること 会計法第二十九条の四第一項は、国が競争入札で契約の相手方を決めようとするとき、「その競争に加わろうとする者をして、その者の見積る契約金額の百分の五以上の保証金を納めさせなけ…
価格ではなく、書類で負ける 私は長く、中小の建設会社が公共工事の入札に向き合う現場を見てきました。見積もりを詰めて、ぎりぎりまで価格を考える。その努力は尊いものです。けれど、価格を出す前の段階で勝負が…
最も安い札を、そのまま選ばないことがある 公共工事の発注者が開札に立ち会うとき、頭の片隅にいつも置いている不安があります。最も安い金額を書いた会社が、その金額で本当にこの工事を最後までやり切れるのか、…
「資格は取ったのに、この工事には出られない」 工事の規模は、数千万円の小さな案件から数億円の大きな案件まで幅があります。そして公共工事では、その金額帯ごとに参加できる会社があらかじめ区分されています。…
「許可は取ったのに、公共工事に出られない」 経営事項審査――略して経審とは、公共工事の入札に参加しようとする建設業者の経営の状況や規模を、客観的な数値で評価する審査のことです。建設業の許可が「工事を請…
「安く入れたのに失格」はなぜ起きるのか 予定価格・調査基準価格・最低制限価格――この三つは、どれも「価格の線」でありながら役割がまったく違います。予定価格は札が収まるべき上限、最低制限価格はこれを下回…
力を入れた提案が、順位を伸ばさなかった 技術提案書に何日もかけたのに、順位が一つも上がらなかった――総合評価落札方式では、こういう結果が起こります。価格を下げ、提案を厚くしたのに、落札に届かない。原因…
「資格は持っているはずなのに、入札に出られない」 競争参加資格には有効期間があり、期限が来れば一度失効します。見落とされがちなのは、更新が「切れる直前に慌ててやれるもの」ではなく、あらかじめ定められた…
入札の前に、机の上を整える 電子入札で国の工事に応札するまでは、大きく三つの段取りに分けられます。入札に出るための資格を得ること、電子入札に使う道具をそろえること、そして公告を見つけて期限内に書類を出…